MORITA INDUSTRIES INC | モリタ工業株式会社

MORITA HISOTRY

お風呂の普及、大企業の参入

銭湯が主流であった日本において、住戸内に浴室設備が設置されるようになった契機は、日本住宅公団(現 独立行政法人都市再生機構)による団地建設です。住宅公団は、1955年(昭和30年)から1980年(昭和55年)までの間に、鉄筋コンクリート造集合住宅を50万戸以上建設※し、その全てに浴室設備を導入したのです。

※UR都市機構 平成16年度決算 参考資料をもとに算出

この時期、家電メーカーや住設機器メーカーといった、全国の大企業が風呂釜製造事業に参入しましたが、その後、いずれも撤退しました。品質が人命に直結するガス機器製造は、結果として、特定のメーカーの専門的なビジネスになったのです。現在では、家庭用ガスふろ給湯器を製造する会社は国内に10社程度しか存在しません。当社はそのなかで最も小さな企業のひとつです。

薄型風呂釜の開発

淘汰が進んだ業界のなかで当社が事業を継続できたのは、お客様企業のご依頼を受け、幅110mmの薄型風呂釜の開発に成功したことに、源流があります。川口へ移転してからさらに3年経過した1973年(昭和48年)のことでした。

当時、浴室の中に置く風呂釜の標準的な幅サイズは150mmでした。その理由はオーバーヒートの防止です。つまり、「内部のガスバーナーが外装部を加熱し、使用者が触れた際に火傷をしてしまう危険があるため、機械内部に安全上必要な離隔距離を確保すると、外形寸法のうち幅サイズは、最低でも150mmが必要である」というのが、業界の常識だったのです。

当社はこの常識を疑いました。「オーバーヒートが危険ならば、オーバーヒートしないようにすればよろしい」。新型の小型ガスバーナーを熱交換器で包み込むことで、外装部を加熱しない構造を考案し、幅を110mmに薄型化したのです。発売後、この製品サイズは業界のデファクトスタンダードとなり、今日においてもなお、浴室内に設置するスリムタイプの風呂釜は、各社とも幅110mmです。