MORITA INDUSTRIES INC | モリタ工業株式会社

MORITA HISOTRY

最初の挑戦、高効率風呂釜

炭鉱を離職した方々のために

当社が創業期から製造・販売している製品が「ML-SB101K」と「ML-YB200K」。昭和45年(1970年)に雇用促進住宅という団地向けに開発した、ガスでお風呂のお湯を沸かすための機械「ガス風呂釡」です。

10名に満たなかった創業メンバーが社運をかけて開発し、「大手メーカー品に比べて低価格・高性能であることから公式採用された」と伝えられています。業界関係者の間では、その角ばった外観から「角釡(かくがま)」という愛称で親しまれており、当初の基本設計からほとんど変更なく、発売から50年を経過した現在でもご注文をいただきます。

浴室外設置型風呂釜ML-SB101K(CF式)

雇用促進住宅とは、もとは炭鉱や造船といった構造不況業界から離職した方々の再就職支援を目的とした公共賃貸住宅であり、昭和30年代から供給が開始されていました。当時の事業主体は雇用促進事業団(現 独立行政法人雇用・能力開発機構)。2017年時点で全国に2900棟以上※が残っていましたが、その後、投資会社へ民間譲渡され「ビレッジハウス」という名称で新たな社会基盤に生まれ変わっています。

雇用促進住宅(ウィキペディア、2020年6月12日閲覧)

シンプルな構造で高効率を実現

角釡は、バーナーと釡が分離式となっており、かつステンレス製の外装と銅製の熱交換器だけで構成されているため、非常にシンプルな構造となっています。外装内面に断熱材としてグラスウールを組み込み、当時としては高い熱効率を誇りました。点火は圧電式、リモコンはワイヤー式ですからAC電源はおろか乾電池さえ必要としません。

専門用語で「浴室外設置型」と言い、5階建ての中層団地に設置する場合はベランダの小部屋などに取り付けします。PSLPGマーク表示など液石法への準拠が義務付けられた、規制対象のガス製品です。「釡」という呼び方の起源を想起させる機械ですが、こうした構造と特徴を持つ風呂釡は、今日では国内にこの製品のみとなってしまいました※。

※そとだき式、バーナーと釜が分離した構造にある自然排気式ガスふろがま(当社調べ)

1980年代の団地(雇用促進住宅、当社撮影)